お酒を飲むとよく眠れると考えている人は多いのではないでしょうか?
厚生労働省が2014年に発表した「健康づくりのための睡眠指針2014」によると、寝酒を週1回以上する男性は48.3%、女性は18.3%に対して、睡眠薬を服用する男性は4.3%、女性は5.9%と睡眠薬代わりに寝酒をする頻度が高いことが示されています。また睡眠のためにアルコールをとる割合も30%近くにのぼると示されています。

アルコールで本当に深い眠りは得られるの?

では実際にアルコールを摂取することでよく眠れるのでしょうか??アルコールの影響で、深い眠りの指標となる「ノンレム睡眠」がどうなるかを説明します。
口から体内に入ったアルコールは肝臓内で分解され、悪酔いや頭痛、動悸の原因ともなるアセトアルデヒドになります。このアセトアルデヒドが深い眠りをもたらすノンレム睡眠を阻害すると言われています。ノンレム睡眠が阻害されるため、浅い眠りのレム睡眠が長くなります。
つまり、アルコールがアセトアルデヒドになり、深い眠りが妨げられ、結果的に睡眠不足になる可能性が高くなるということです。

ノンレム睡眠以外への影響は?

飲酒の量にもよりますが、たいてい飲酒した日の夜は夜中にトイレで目覚めてしまうことありませんか?
通常夜間は、抗利尿ホルモンが作用して尿を濃縮、尿の量を減らしています。しかしアルコールは抗利尿ホルモンの働きを邪魔するため、眠っている間でもトイレへ行きたくなって、目が覚めやすくなってしまいます。飲酒の影響で中途覚醒を引き起こしてしまうのです。

また睡眠は脳と身体を休ませる時間ですが、寝酒をすればアルコールを分解するために肝臓などの内臓は休まずに働いてしまいます。結果として睡眠中に行われる、身体のメンテナンスが施されず、身体の機能にもダメージが少しずつ現れる原因になります。

それでもお酒は楽しい時間を過ごさせてくれます。
できるだけ睡眠に影響がないように、適量を守って就寝3時間前までに飲酒を終わらせるようにしてみてください!